Phos-tag SDS-PAGE データ集 FixLJ
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FixL

Putative oxygen sensor; modulates the activity of FixJ, a transcriptional activator of nitrogen fixation fixK gene. FixL probably acts as a kinase that phosphorylates FixJ. Mw; 55,000

FixJ

FixJ, when activated by FixL, induces the expression of both nifA, required for activation of classical nif and fix genes, and fixK, required for FixN activation. Mw: 22,000

 

泳動結果

FixLJ1

バクテリアの情報伝達経路には,ヒスチジンとアスパラギン酸による
リン酸基転位反応によって行われるものがあり,
二成分伝達系と言われます。

外界の環境変化を捉えるセンサーキナーゼ(ヒスチジンキナーゼ)と
レスポンスレギュレータのペアから成ります。

センサーキナーゼのヒスチジンが自己リン酸化によってリン酸化し,
そのリン酸基がレスポンスレギュレータのアスパラギン酸に転移されます。
レスポンスレギュレータ〜は転写因子として支配下の遺伝子発現に関わります。

本実験は,Sinorhizobium meliloti の 二成分伝達系FixL/FixJ
のin vitro kinase assayです。
His-tagタンパク質として発現,精製したものです。

「FixL autophosphorylation」 はFixLがATP存在下で自己リン酸化する様子を
Mn2+–Phos-tag SDS-PAGEで解析しています。
FixLのHis275がリン酸化したものがシフトアップしています。

「FixL /FixJ phosphotransfer」 はFixLがATP存在下で自己リン酸化し,
そのリン酸基がFixJ に転移する様子を解析しています。
FixJのAsp54がリン酸化したものがシフトアップしています。

さらに興味深い事に,FixJのHis84がリン酸化したものが
Asp-54のリン酸化よりも時間的に遅れて観察されます。

FixJにおいては,Asp-54のリン酸基が加水分解される前に,
近傍のHis-84に一旦,リン酸基を転移し,その後加水分解されるものと考えられます。
(この現象が他のレスポンスレギュレーターにも共通のものかどうかはわかりません。)

FixLJにおけるリン酸基転移反応を模式的に表すと次のようになります。
FixLJ img

また,FixJのAsp-54~P が加水分解される際に,
一旦,His-84にリン酸基が転移する事について
活性型FixJではAsp-54の近傍にHis-84が位置していることから(下図)
偶発的な現象である可能性もあります。
機能上の意義はわかりません。

FixJ structure

なお,FixJのAsp-54~P とHis-84~Pが異る移動度を示すことから,
リン酸基数が同じでもリン酸化部位が異なれば,分離されることがわかります。

関連画像

E.coli の 二成分伝達系EvgS/EvgAのin vitro kinase assay-1
E.coli の 二成分伝達系EvgS/EvgAのin vitro kinase assay-2
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E.coli の二成分伝達系PhoR/PhoBのin vitro kinase assay
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Reference

Kinoshita, E., Kinoshita-Kikuta, E., Matsubara, M., Yamada, S., Nakamura, H., Shiro, Y., Aoki, Y.,Okita, K., and Koike, T. Separation of phosphoprotein isotypes having the same number of    phosphate groups using phosphate-affinity SDS-PAGE. Proteomics, 8, 2994–3003. (2008)

doi: 10.1002/pmic.200800243.

ゲルの条件

Mn2+–Phos-tag: 50µM

Polyacrylamide: 10%(w/v)

検出方法

1. SYPRO Ruby stain

2. autoradiography

3. WB: anti-FixL
     anti-FixJ


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